皆さんも報道でご存知と思いますが、ボストン周辺住民にとって今週はショッキングな出来事の連続でした。
まず月曜日にボストンマラソンで爆発があり、3人死亡、150人以上が負傷。
ボストンマラソンという住民が誇りに思う楽しいイベントで起こったこと、子どもを含む一般の人たちが犠牲になったこと、我が家から距離的に近いこと(夫の足で走って30分くらい)、夫の会社からほんの2ブロックのところだったこと、3年前には家族3人で2年前には夫と娘が応援に行っていた場所であることなどあり、かなりショックを受けました。
言葉でうまく説明しにくいのですが、ボストンに住むものとしてボストンマラソンでテロがあったというのは単に「近くだから怖い」以上の大きな衝撃でした。
どんよりした気持ちで火曜、水曜と過ごし、木曜日には少しだけ気分を持ち直して友人と我が家でディナー。楽しくおしゃべりしてホッとした気分でいたら、その夜にまずMITで警官が撃たれたというニュースが入り、その後は皆さんもご存知のとおり警察との銃撃戦、容疑者1の死亡、容疑者2の逃亡……とまるで映画のような展開となりました。
木曜日の夜は緊急車両のサイレンの音を聞きながら眠りにつき、金曜日の朝起きたら外出禁止令が出ていました。
容疑者宅は我が家から歩いて20分くらいのところで、娘の学校のすぐ近くです。今週学校は休みなのですが、水曜日と木曜日は同じ校舎内にあるコミュニティスクール主催のフィールドトリップに参加していて、学校に行っていました。フィールドトリップで人の集まる劇場やミュージアムに行くことを少し心配していましたが、実は学校のほうがずっと危険だったとは思いもよりませんでした。
容疑者2が逃げていたウォータータウンは我が家から車で10分程度のところにあり、しょっちゅう買い物に行くモールの通りが物々しい警察車両で埋まっているのをテレビで見て、信じられない思いでいました。
家から出ないように、制服を着た警官以外でなければ誰が来てもドアを開けないようにとのことでしたが、普通の窓ガラスしかない我が家が急に無防備に思えて仕方なく、ウォータータウンからなら歩いてでも来れるなと心配して、裏庭をちらちらと覗いてみたりしていました。(しかしあとでよく考えてみると、ウォータータウンは川向うにあり、あれほどの警戒中にのこのこと橋を渡ってくるのは無理だったろうと思います。)
夕方急にサイレンの音がしだしたので何かあったなと思ったら容疑者2発見の知らせ。時間はかかったものの結局捕まりましたので、ようやく少しホッとしました。
とりあえずの危険はなくなったという意味ではホッとしましたが、容疑者が同じ市の住民であったこと(実際に私の知り合いで容疑者2を知っている人もいました)には今もショックを受けています。
ハーバードやMITのあるケンブリッジ市には世界中から人が集まってきます。そのdiversity(多様性)がケンブリッジの魅力であるとずっと思ってきました。今回動機などまだ全くわかっていませんから、容疑者兄弟が外国人であったことが関係しているのかどうかも不明ですが、関係しているとすればとても残念なことです。(どんな動機であれ残念という言葉で表せないほど残念なことに変わりはありませんが。)
容疑者追跡劇の当夜、我が家にディナーに来てくれた隣の友人たちと「誰も容疑者の写真に似てなくてよかったね。もし近所の人が手配写真と似てたらどうする?」などと半ば冗談で話していましたが、彼らが帰った直後にMITでの事件発生。冗談ではなくなりました。
しかし今回の一連の事件で改めてボストン(ボストン市だけでなく広域ボストン)を改めて誇りに思う出来事もたくさんありました。月曜日の爆発直後の警察や医療関係者の迅速で効率的な対応、ボストン内外からの暖かいサポートなどです。
当局の記者会見などでも誠実にできる範囲で情報を伝えようとしていること、そして特に住民の安全を第一に考えていることが伝わってきましたし、ボストンのハイレベルな医療がなければ犠牲者の数はもっと多かっただろうとも言われています。
月曜日の爆発直後から行先のない人たちに自宅を提供したり、警察に差し入れをしたり、被害者のために立ち上がった基金に短期間でたくさんのお金が集まったりなど、一般の人たちも立ち上がりました。
でもこんな機会にボストンの魅力を再確認するとは皮肉なことで、魅力再確認できずとも何事もなく無事であったらよかったのにという思いは消えませんね。今後全容が解明されることを願っています。
せっかくのバケーションウィークが散々なことになってしまいましたが、残り1日半はできるだけ心穏やかに過ごしたいと思います。
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